Q、古いピアノはやっぱり使えないのでしょうか?
A、ピアノは寿命が長い楽器ですので修理をすれば使えます。
時代別ピアノの特性を紹介いたします。
時代の流れから、製造年代により音の個性が違います。
(僕のコメントは主に時代による感覚的な世の中の流行りです。)
1970年以前のピアノ
ピアノが高価だったころの時代で、作りがよく製造過程のコスト削減を感じません。
音に芯があり温かい音、真空管アンプのオーディオのような音の時代です。
タッチは洗練されておらず、重ためです。
これからはピアノの性能が落ちても弾ける程度の状態で維持する時代です。
タッチ |
重たい、洗練されていない |
音色 |
温かい、ぼやけている |
表現力 |
ある |
1970年から1980年までのピアノ
ピアノが大量生産に本格的に移行した時代です。
ピアノメーカーが潤った時代で、設備投資などをして、
ピアノの品質の均一化がされた時代です。
音の流行りは、温かい、ぼやけた音から、くっきりデジタルのような音色に変わった時代です。
また、タッチは近代的になり軽さと弾きやすさが備わりました。
この年代ピアノも人間の年齢でいうと40代から50代でまだまだ働き盛りです。
ピアノの作りもよく、メーカーのポリシーを感じます。
製品規格も実施されて、アフターケアのパーツもいまのところ心配はいりません。
タッチ |
洗練されている |
音色 |
はっきりしている |
表現力 |
ある |
1980年から1990年までのピアノ
ピアノがより華やかに鳴り、力強い音色が求められた時代です。
ただ、少し音の深みにかけるモデルもあります。
タッチはより洗練され、強さと指のエネルギーを無駄なく本体に伝えるように試された時代です。
生半可に古いなら、もう少し古くても変わりないなんて思ってしまいますが、ピアノの疲れ方が違います。
しかし、ピアノ本体の作りは前の年代の方が良く、選択に悩むところです。
1970年代1980年代それぞれにいいところがあります。
タッチ |
反応がいい |
音色 |
華やか |
表現力 |
少し落ちる |
1990年から2000年までのピアノ
コスト削減のきざしがメーカーに見え始め、また新しい材質をピアノに試された時代です。
音は力強さから音の伸びに時代の要求が変わり、ガラスのようなデリケートな音に変わりました。
また、タッチは弾きごたえのあるものから、弾きやすい軽やかな物へと時代の要求が変わりました。
僕の認識の中では、ここからの年代は古いピアノという感じがしません。
中古ピアノの相場でも古い年代のピアノより値段が上がってきます。
人間の年齢でいうと20代後半から30代くらいでしょうか?まだまだこれからという感じです。
タッチ |
弾きやすく繊細 |
音色 |
華やかで繊細 |
表現力 |
少し落ちる |
2000年から現在まで
ピアノメーカーはコスト削減を余儀なくされ、以前保っていた品質を維持できるように努力しています。
これはこの40年間ピアノの値段が世間の物価ほど変わっていないことから、
メーカーの苦労がうかがえます。
この年代のピアノは、慣らし運転が終わってこれから本調子というところでしょうか?
やっとピアノが落ち着いてくるころです。
人間で言うと20代前半まで、中古というのがもったいない感じです。
タッチ |
弾きやすい |
音色 |
華やかで繊細 |
表現力 |
落ちる |
|