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寺田佐代子 (ピアノ) インタビュー2

Q3 日本は先進国なので人が冷たくなっていると感じます。約束事は守る人種ですが、それ は自主的でなくあくまで受け身です。僕はナポリに住んでいましたが、何もかもがいい加減なのですが人間味を感じました。人間もやさしかったとおもいます。
健康な時は良 いんです。しかし、年老いた時、病気にかかった時など、医療、システムは先進的でも 精神面で孤独を感じて辛い思いをするのではないかと不安になります。どうすればいいのでしょうか、また、日本はどのように変わっていくのでしょうか? 漠然とした質問ですが分か
りやすくお考えをお伝えしていただけますか?
寺田 ・・・日本は、先進国といいますが、それは産業でも教育でもとっても管理的なやり方 で成り立っていますね。 組織があり、ルールがあり、そのなかで全体の向上、成長、利益のために身を粉にして働くひとが
出世する。 よい労働者。自由にサボル余裕がないというか、さぼってはいけないのです 。 その汗水たらす労働力による貢献は、個人に収入という形で還元される以上に、組織のためになるように仕向けられています。それは、結果的には、日本全体の成長には非常にいいことでした。
谷口 強いリーダーシップを持った人にけん引されて、景気も上向き、明るい将来を想像できればそれでいいのでしょうが、 景気は落ち込み、給料は下がり、政治も経営者も大変だと思います。引っ張って行く人について行きたくなくなってしまう。
これからは自分で考えなくてはなりませんね。
寺田 年老いたとき、病気になったときに、安心して過ごせる、あるいは、こころあたたまる サポートを望むのは誰しも同じ。 ひとごとではないとまず思いましょう。そして健康なうちから年老いた人、病気の人への
思いやりを持っていなければいけません。みんながそうすれば社会は明るいのです。 でも、みんな、生産性のあもの、便利なものが好きで、無償でひとのために働くひとはなかなかいません。
今、政治も、産業も、教育も、医療も、ちょっとこれまでと違う方向を向かないといけない時期に来ているのだと感じています。今こそ、ひとりひとりの思考も自由に未来に向けて自らしく行動して
いくときだと感じています。
谷口 僕自身思いやりのある人間だとは思っていません。 しかし、将来への不安も感じます。勝手な人間です。 ただ、人に何かを施せたら (その考え方自身醜いですが) 満たされた気持ちになるような気がします。
しかし、善意の押し売りで、自分の心にマイウェイの曲ががかかっているのもみっともないですし、笑。 将来孤独なひねくれた自分も嫌です。バランスのとれた自然なシステムがあると良いですね。
イタリアでは宗教がその役目をしていたと思います。 カトリックは税金でまかない、牧師は一生独身で人生を捧げ、日曜日には家族で教会に 行き、神様の前ではみんな平等。奉仕と受ける人のバランスを取っていたのではないかと思います。 ただし一部です。
現実には日本の方が10倍住みやすい国だと思います。
寺田 日本は、どのように変わっていくのか? 日本が変わるには、ひとりひとりが少しでも変化して、これまでとは違う概念も形成していく必要があります。
また、ひとりひとりも変化していくだろうと思います。 社会もきびしいので、必要にせまられていくはずです。

越智章仁 (ダウン症ピアニスト)
楽譜を読めない彼は、自分のこころに感じるままを音にする。
この「感性がすべて」だからこそ、「純粋な美」を表現できるのかもしれない。
(癒しのコンサートより)
Q4 寺田さんの活動に僕は新たな側面を感じました。音楽は限られた人だけのものでなく、 アマチュアでも活動の場を作られています。それは生きがいを見つけることにつながると思うのですが、寺田さんの言われた 「言葉より音楽はこころに伝わりやすい」 その意味とは何でしょうか?音楽を専門家だけに特化するのではなく、一般レベルで楽しむ。素晴らしいことだと思います。 寺田さんの考えをお伝えください。
寺田 ・・・・・音楽は感性の表現、人間のこころの表現でもあります。
言葉は発信したひとから受け取るひとに入ると、受けたひとの 「イメージ、考え」 でいったん頭で解釈しますが、音っていうのはすんなりと 「感じる」 ものだと思います。
優しい音、激しい音、響く音、演奏家の伝えたい意図もあると思いますが、 最終的には、聴く人の体感する解釈になると思います。 さっきまで思い悩んでいたとしても、音楽を聴いてそれに心惹かれて、感情が癒されることは多くのひとが体験しているのではないでしょうか?
昔から音楽は人間にとって日常のなかで親しまれてきましたね。 祈りに似た音楽、悲しみを癒すもの、喜びを表現するためでした。 いつから音楽に 「プロ」 という特別なものができたのでしょうか?
音楽はアマチュアでも誰でも、演奏者としても、聴き手としても日常でもっともっと楽しめるはずです。
プロにはプロの学問として、または伝統の継承、音楽の啓蒙など大切な役割があります。 しかし、アマチュアだからそれはできない、してはけないなんてことは何もありません。楽しむことこそ第一歩です。
谷口 まさにその通りだと思います。いまは十分録音で音楽を楽しめています。これか らはもっと演奏したい人が聴衆の前で 自然に音楽を発表できる時代になると思います。演奏会だけでなく、自宅で収録、インターネットで公開みたいな。
Q5 音楽は寺田さんの専門分野ではありませんが、寺田さんの考える音楽の効能、利用の 仕方、音楽の良さとは何か? お聞かせください。 僕は音楽を仕事とされている方以外でも活動されることは素晴らしいと思います。
寺田 ・・・音楽は魔法使いのようなもの。理屈ではないでしょう? 私は、幼稚園のころからピアノを習ってはいましたが、音大には進まなかった。 いえ、音大に入れるほどの才能はなかった。でも、今でも、ピアノやハープの演奏を自宅でひとり楽しむこともあれば、誰かと合わせることもしますしコンサートに出演することもあり、躊躇しません。これは自らの人生を豊かに感じるためそのものです。
音楽を仕事としているひとより、むしろ自由に音楽を楽しんでいるとさえ自負します。 こうでなければならないという意識を持たずに、自由に好きな音楽を楽しんでいます。音楽の良さは、音楽を楽しんでいるその時間は、思考の世界ではなく楽しい感性の世界で時間を過ごすことにつながります。
谷口 寺田さん自身が楽しんでいらっしゃるのですね。それを共有できる人がいて、皆で楽しんでいられる。 何とも音楽の理想かもしれません。僕は演奏すら得意ではありませんが、音楽は大好きです。
ですから調律師をしています。
Q6 これからのわかば会の展開、寺田さんの目標はどのようなものですか。
寺田 ・・・感性で、いいと思うことをやっていく。 がん患者支援はひとにやさしく、ひととかかわること。 音楽を媒体にして、おおくのひとと交流しながら、そこで、 「生きること」 「楽しむこと」 を社会に提供していくことです。
そこに関わった人が体感する。 それでいいのです。 テーマは、いのちのつながり 「輪の和」 ひとの輪が和むというイメージです。
目標は、日本の南の島から、北の島まで・・・あちこちを訪問して、その地域のなかで 、がん患者支援をテーマに 音楽やサポートプログラムを展開しながら、あったかいひとのつながりを作っていくこ
とです。 この目標の初めの一歩は、2011年3月に与論島でサポートプログラムを実施します 。
谷口 スケールが大きいですね。 僕の希望は、自然に世論まで動かして、がん患者だけ でなく、一般の方が不安に思う老後の 問題をコミニュティで解決する方法にも
着手していただきたいと思います。
寺田 谷口さんのご指摘、素晴らしい。実は、私の最大最終目標はそこなんですよ。 もともと、ファシリテーションの学びをしたのですが、これは「がん」に限ったものではなく、「対人間」でした。つまり、だれをも対象にすることのできるプログラムなのです。
過去には、福祉系の大学生、介護職のひと、子育ての新米パパ、看護師さんなどなどの研修担当もしました。 現在、医学部の学生にも実施しているのですよ。 いろんなひとに、コミュニケーショントレーニングや人間関係トレーニングをしてきました。 私の引出しには、いろいろな材料となる技法があります。
料理でいえば、レシピはいっぱいあって、そのつど、ニーズにあった材料でおいしい料理を作るのに似ています。 刈谷市では生涯学習の講師登録もしていていて、一般市民向けにコミュニケーショントレーニングなどをしようかな・・・と考えてもいるんです。
谷口 その行動力に脱帽です、おおらかで自然な感じな方なのですが・・・・・本物は気さくなんですね。笑
Q7 告知などがありましたらお伝えください。
寺田 この目標の初めの一歩は、2011年3月に与論島でサポートプログラムを実施します。 参加したいひとは、どうぞ! また、音楽愛好家で、がん患者支援のためのコンサートにボランティア演奏してくださるひとがいましたら、どうぞ!
がん患者さんかつ音楽愛好家、大歓迎です。
谷口 僕自身食べるので精一杯で今のところ余裕がありませんが、いつも寺田さんの活動に注目したいと思います。 そして、何か出来ることがあれば、お手伝いさせていただきたいと思います。
大きな主題でこの文面ではまだまだ足りないこともあると思いますが、意味のあるイン タビューになったと思います。 寺田さんありがとうございました。 これからのご活躍を期待しています。
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谷口順繁 |
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